裂肛について

1) 裂肛ってどんな病気なの?

 

 切れ痔のことですね。 みなさんも一回か二回は硬いうんこで
痛い思いをしたことがあるんじゃないかしら。
 殆どの人がすぐに治って病院に行く機会はあまりないのですが、
何回も同じ場所が切れて痛かったり、びっくりするくらい出血すると
病院を訪れるようです。

 切れ痔でこわいのは、慢性化といいまして、治らないでずっと
切れ痔をもっていると肛門の外に見張りいぼというたるみができて
その分、肛門が狭くなって肛門狭窄とよばれる状態になることなんです。

 みなさん、切れ痔の治らない状態、慢性裂肛ってどんなに痛いだろう
と思いますでしょ?
 それが全く痛みがないか、あっても軽度なんです。
慢性の切れ痔の多くは殆ど 痛みがなく、うんこをする際にちょっと紙に
血がつく程度なんです。 そのため、ちょっとおかしいかなと感じている間に
小さないぼができ、少しずつ大きくなっていき、気が付いた時には
細いうんこしか出せないようになってしまうんですよ。 

2) どうやって治すの?

 

 殆どの方は、生活指導と軟膏座薬ですぐに治ります。 慢性の方で
痛みのない方は軟膏座薬とニトログリセリン軟膏を、慢性の方で痛み
のある方は、出来れば早めにLSISという裂肛とべつの場所の肛門括約筋
を皮下で切開するという処置を行います。
 痔核や見張り疣が大きい方は腰椎麻酔で、切除+LSISを行います。
 これでも殆どの方が一泊入院だけで済みます。

 よほど進行した肛門狭窄を伴うような方でなければ、簡単に治す
ことができます。

3) 進行してしまったものでも治りますか?

 以前は肛門狭窄をうまく治すにはあまりいい方法がありません
でした。
 私は進行した肛門狭窄の患者さんでも、確実に治るESG法
(早川式SSG法)を開発しました。
 全国の肛門科の先生方に追試をしていただき、高い評価を
得ています。
 詳しくは「痔について」のページの一番下にPDFでダウンロード
できるようになっていますので、参考にしてください。