肛門と直腸のあわせめに肛門小窩というくぼみがあり、その
奥に肛門腺という粘液をだす管があります。 ここに細菌が入り
こみ、肛門周囲膿瘍という肛門の脇が腫れて痛い病気になります。
これが破れ、皮下に瘻管を残したものが痔瘻です。
痔瘻は瘻管が残るだけでなく、不定期に細菌が入り込み、腫れ
破れて出血することを繰り返します。 序々に瘻管は延び、さらに
皮膚の穴(二次口という)が、二個、三個と増えてしまったり、
肛門を回るようにひどくなってゆくこともあります。
ビールを飲んだ後に下痢をする青壮年男性に多いようです。
女性は圧倒的に少ない病気ですが、最近、女性にも増えて
きているように思えます。
もちろん、便秘の人でもなりますし、ビールの飲めない人も
なります。
肛門腺が直線的な人がなりやすいという先生もいますが、
形態的なものであれば、もっと痔瘻が遺伝してもよさそうですが
あまり遺伝は関係ないようですよね。
患者さまには、神様が「あんた、痔瘻になりなさい」と指を
さした人が痔瘻になるんですよと、説明しています。
(ほんとかな?)
その通りですよ。 最近、有名な先生が手術をしなくてよいという
ような発言をしていますが、これは誤りです。
仕事の関係でどうしても手術できなくて時間が出来るまで待つ
ような方もいますが、やはり様子をみていく間に悪化してしまう方
をみます。 そのような場合はちゃんと悪化の可能性を説明して
いますが、ひどくなってからでは、手術も大きいものになりますし、
入院期間も長くならざるを得ません。
初期の簡単な手術で治るうちに手術をしていただくのがベスト
だと思っています。
そうそう、5年以上痔瘻をもっていると、癌化のおそれも出てきます。
おいそれと、手術しないでいいですよと言った後で、その患者さんが
ひどくなったり、癌になったりしたらその先生はどうやって責任を
取るおつもりなのでしょうね。